トーユー歯科クリニック院長 岩附勝

Bimler先生ご一家と(右端がビムラー先生)
2000年にキューバ歯科医師会に招かれて講演する機会がありました。
キューバが医療先進国であることはあまり知られていません。実際にキューバに行き、多くの医療展示や講演を聞き、いろいろな人たちと話してみて、驚くべきことがわかりました。
キューバの医療は既に「予防」が中心なのです。「病気を治す医療」ではなく、「病気にならないための医療」が実践されていました。
私の専門分野でいえば、むし歯や歯周病で歯を失う人をつくらないように、子どものときからケアをしています。そして「咬み合わせ」に問題があれば「機能矯正」で治し正常な咬み合わせにして、さらにそれをメンテナンスするのが歯科医療の目的です。
私がハーバード大学での分子生物学を用いた骨の研究を終えて帰国した後、ドイツのフランクフルト郊外で開業しているH.P Bimler(ビムラー先生)と出会いました。
ビムラー先生は何十年も前から「機能矯正」を指導し、歯科界に大きな貢献をしています。そんなわけで今私が行っている「機能矯正」はキューバでも実践され、多くの子どもたちが救われています。そして、こうした予防のシステムがひいては医療費を大幅に節減できることをキューバは証明しています。もしこのシステムが広まれば「歯の治療をしたり入れ歯をつくったりする歯科医」はあまりたくさんはいらなくなるはずです。
私の仕事は「あごの骨を含んだ顔全体の健やかな成長を助け、なるべく自然な良い歯並びにすること」です。本来もっと大きく成長できるはずなのに、いろいろな理由であごの骨が大きくならず、そのためにスペースがたりなくなって、まっすぐ生えてくるべき歯が曲がったり、生えてくるのが遅れたりして「無秩序化」してしまうことを可能な限り防ぐことなのです。
もちろんこうした「機能矯正」のコンセプトは、大人の方の矯正治療にも応用できます。
つまり歯並びを悪くした根本原因を突き止めて、それを改善するような治療を行うことです。(ここから大人の症例へ)一見回り道のように思えても、歯を引っ張って治すよりずっと効果的なことが多いのです。
グローバル化に伴い、多くの日本人が国際的な場で活躍することと思いますが、彼らが多くの人たちの前で素晴らしい笑顔を披露できるようにしたいものです。


